片づけからは逃げられない
ミニマルな暮らし、というとなんかこだわりの強いおひとりさま暮らしみたいな雰囲気に聞こえるかもしれませんが、持ち物を管理することって「逃げられない、やらざるを得ない」というドライな面が結構強いと思っています。
モノを所有するということは、そのモノに対して「所有権」を持っている状態です。「所有権」とは、あなたのモノであるという権利、他の誰にも使用・収益・処分されないという権利ですから、逆にいうと、「一度モノを所有してしまうと、自分以外に誰も片づけも処分もしてくれる人がいないよー!!」ということに他なりません。
例えば、引っ越しをする際に荷物を段ボールに詰めるのは自分ですし、荷造りが面倒で引っ越し業者に依頼する場合の追加費用を払うのも自分です。大型家具を粗大ゴミに出す際の回収費用を自治体に支払うのも、自分です。モノを所有することに付随するもろもろの負担はすべて所有者に帰属するということです。
仮に一生引っ越しを行わずに人生を終えたとしても、所有権は遺族に相続されることになります。遺族が自分たちで遺品整理をしていくか、遺品整理代行業者に依頼することになりますので、モノを所有する限り、何らかの管理がずーっとつきまとっていく、というのは逃げようのない事実です。
独身でも既婚でも、子持ちでも子無しでも、みんな同じです。
モノを所有するだけでコストがかかっている
あなたは、日々の暮らしの中で自分の「生活コスト」についてどのぐらい考えたことがありますか?
例えば、「食費」に関しては、多くの人がなんとなく「適正」とか「贅沢」「節約」とかのコストを意識しながら毎月暮らしているはずです。どうしても仕事が忙しくて外食・コンビニ・ウーバーイーツ等を使ってしまったときは『自炊よりも高いお金を払っちゃったな~』と感じますし、反対に、『贅沢しちゃった分、今月は節約レシピを駆使して食費を安く収めよう!』と考えたりしますよね。毎月かかる費用(=ランニングコスト)は多くの人が意識しているものだと思います。
【モノの所有】に関してはどうでしょうか。皆さんは、モノを購入するときは『高いからもうちょっと我慢しようかな』とか「セールだからお買い時!」とか考えると思いますが、モノを買った後、モノを所有していることに対して、「適正コスト」だとか「贅沢」だとか「節約」だとかわざわざ考えたことはあるでしょうか?
実は、モノを所有することにも、毎月ランニングコストがかかります。
多くの人が忘れがちなランニングコストとは、「所有しているモノのスペースの分だけ毎月家賃(=保管コスト)がかかっている」ということです。

例えば、10畳の賃貸マンションに月10万で住んでいたとして、モノが2畳分置かれている場合、あなたは毎月2万円「モノの保管スペース」にお金を払っていて、自分の居住スペース代は8万円ということになります。
一般的に、「家賃は月収の3割ぐらいが上限」と言われているので、これを目安に物件選びをされる方は非常に多いと思います。でも、「家賃のうち、モノと居住スペースの内訳がどうなっているのか?」なんてところを意識している人はほぼいません。この「モノの保管コスト」は、食費や電気代、水道代のように毎月の家計簿にも表れてきませんし、誰も教えてくれませんから、下手をすると一生気づかないままかもしれません。
断捨離とは、持ち物の適正化
一度モノを所有した以上、その管理からは逃げられず、しかも保管コストも毎月かかる・・・となると、可能な限り持ち物を適正化して、最適な管理負担で生きていきたいと思いますよね。
自炊や家計管理と同じで、片づけ(=所有物の適正化)も、多少自己流のやり方をしても別に死ぬわけではありません。ですが、今日から自己流でモノの適正量について考え始めるよりも、先に全体像をイメージして、それから手順を立てて、無駄なく最短ルートで上手に片づけを進められるのであれば、その方が断然ラクだと思います。
次の記事で、片づけの全体像や、自分なりの取捨選択の基準の作り方についてお話したいと思います。
